五藤院長が監修した記事が「Yahooニュース」に掲載されました。


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【加藤茶・綾菜夫妻が“回避”した「人工透析」のメリット・デメリットを医師が解説…災害時のリスク管理も】


年の差婚ながらおしどり夫婦で知られる、現在80歳の加藤茶と35歳の綾菜夫妻。

1月5日、大病を経験した加藤茶とそれを支える綾菜の様子が『Hint-Pot』にて、綾菜へのインタビューという形で報じられている。

「綾菜さんは昨年、『加藤家の食卓』を上梓。記事によれば、これは 医師から人工透析を勧められた加藤さんの数値を改善するため、食事療法に取り組むために作ったレシピをまとめたもの。インタビューでは、これらの食事や、生活習慣の改善によって、加藤さんの数値が大きく改善したことを綾菜さんが明かしています。

加藤さん自身、腎臓の状態が悪化しているため、医師から人工透析を勧められていたことをテレビなどで明かしています。  

当初、加藤さんは人工透析治療について意外にも前向きな姿勢を見せていたようですが、綾菜さんはどうにか数値を改善する方法はないか、と模索。透析治療を受けない“健康作り”に精を出しているようです」(週刊誌記者)

一般に人工透析が必要なケースでは、腎機能の低下が進んだ状態。  

記事によれば、加藤夫妻のケースでは、数値の改善によって「5年この状態が続けば、一生透析する必要がないかも」と医師から言われたそうだが、果たして食事療法をはじめとする生活習慣の改善で透析を免れることは可能なのだろうか。五良会クリニック白金高輪理事長・五藤良将医師はこう解説する。

「本来であれば、人工透析が必要なのにも関わらず、行わない選択をした場合、健康維持が難しくなります。人工透析は、腎臓の機能が十分に働かない時に不要な液体や廃棄物を体外に排出するために使用される治療方法です。  

腎臓がその役割を果たせない場合、体内に毒素や余分な水分が蓄積。これが様々な健康問題を引き起こす可能性があり、血圧の上昇や心臓への負担が生じることが考えられます。また、腎臓の機能低下が進むと食欲不振や栄養吸収の問題が生じることがあり、体重や筋肉量の低下などをもたらし、全身状態が悪化するリスクがあります」(以下、カッコ内は五藤医師)

綾菜のように食事療法などによって管理する場合には、注意すべき点が多いと言う。 「タンパク質の消化は腎臓に負担をかけるため適切な量に調整することが必須です。
さらには、高血圧と腎臓の損傷を防ぐためにナトリウム(塩分)の制限、心臓の問題や骨の健康に影響を及ぼすカリウムとリンの管理、腎臓機能低下の程度によって水分制限が必要な場合もあり、適切な水分摂取量を保つことが重要です。こういったことを医師や栄養士の指導のもとで正確に行うことが必要となりますが、大きな努力が要されますので並大抵のことではないと思います」

並大抵のことではないと五藤医師が指摘するように、綾菜は、専門家の指導を受け、さらに試行錯誤を繰り返し、独自のレシピを確立したことを記事で明かしている。五藤医師は、綾菜の試みは、生活習慣病が気になる中高年にとって健康維持のために活用できる内容だと話す。しかしながら、加藤のように透析を勧められているケースでは、食事療法に頼りすぎるのは危険だと指摘する。

「腎臓病が進行していけば、食事療法を行っていても透析が必要になることがあります。また、加藤茶さんの食事管理はとても大変だったようですが、減塩食事を継続すること、たんぱく制限を継続することはとても大変な上、ご本人にとっては苦しいことの連続です。QOLの維持を考えることも重要だと思います」  

記事によれば、綾菜は人工透析を始めると時間がかかるため、舞台の仕事なども難しくなると考えたようだ。 もちろん、透析はQOLという観点で見れば、メリットもデメリットもある。

「QOLへのメリットは大きく2つ。一つは、尿毒症の症状が緩和されることです。透析は腎臓の機能不全によって生じる症状(例えば、吐き気、嘔吐、一般的な不快感)を緩和し、患者の日常生活の質を改善することができます。もう一つは、健康状態が安定することです。透析によって、体内の毒素や余分な水分が除去され、電解質バランスが維持されるため、健康状態が大きく改善されます。

デメリットは、時間とエネルギーの消費が伴うことです。週3回ほど、通院時間も考えると1回に半日も時間を要し、患者の日常生活や仕事に影響を与える可能性があります。それによって、身体的・心理的な負担を生じ、ストレスや不安を引き起こすこともあります」  

透析を行うか否かは、厚生省透析導入基準に従い、患者自身の透析に対する意向や治療への選好も重要な要素となり検討されるが、最終的な透析開始の決定は医師が患者の総合的な健康状態を考慮して行う。現状で加藤が食事療法を行っているということは、病状が安定しているということだろう。

「一般的に透析を行う場合、患者の年齢、職業、社会的サポート、透析の種類(血液透析や腹膜透析)、そして個人の価値観や生活目標など、多くの要因を考慮し、治療スケジュールも個々の患者に合わせて決定されますので、透析が必要となった際は、医師と納得いくまで相談することが重要です」  ところで、それだけ時間と労力を伴う透析を行う場合、災害時にはリスクが伴う。

「透析治療中の災害時のリスク管理は、医療機関、患者さん共に行う必要があります。考えられるリスクとしては、災害によって病院や透析センターの機能が麻痺した場合、定期的な透析が中断される可能性があります。これにより、尿毒症のような症状やその他の健康問題が発生するリスクが高まります。災害により交通が遮断され、透析センターや病院へのアクセスが難しくなったり、電力供給の遮断により、透析装置を稼働できなくなったりします。

こういったリスクに備えるため、患者さんは緊急連絡先を確認し、透析センターや主治医の連絡先、近隣の病院や透析可能な施設の情報をあらかじめリストアップしておいた方がいいでしょう」  

今回の能登半島地震でも多くの患者が一時、透析ができない状況となり、他の医療機関での受け入れ調整が必要だったと報道されている。

「災害時には危機的状況に陥ることもあるため、透析に関する医療情報(透析スケジュール、使用する薬剤、医療歴など)を記載したカードや書類を常に携帯しておいた方がいいでしょう。また、合併症を持つ方もいますので必要な薬、衛生用品、飲料水、非常食、電池や携帯電話の充電器など、基本的な非常用品を準備しておくこと、災害時に透析センターや病院へ移動するための交通手段を事前に計画しておくことが必要です」  

五藤医師はそう警鐘を鳴らす。

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Author: 五藤 良将