五藤院長が医療監修した記事が掲載されています。「Life Choice」鼻水吸引器はいつから赤ちゃんに使える?



五藤院長が取材監修を受けた記事が、Life Choiceに掲載されました。

<一部抜粋>


鼻水吸引器はいつから赤ちゃんに使える?

鼻水吸引器(鼻吸い器)は、基本的には生後すぐから使えるものが多くなっています。

ただし鼻水吸引器の種類や製品によっても違うため、事前の確認が必要です。メーカーの公式ホームページには、いつから使えるかが紹介されています。そこで購入を検討しているメーカーの公式ホームページで、いつから使えるかをチェックしてみましょう。

鼻水吸入器を使うのは、子どもが自分で鼻をかめるようになる2~3歳までが目安です。しかし厳密に「何歳まで」と決まっているわけではありません。電動鼻水吸引器には、大人が使えるタイプもあります。赤ちゃんが大きくなっても、鼻を上手にかめないうちは、鼻水吸引器を活用してもよいでしょう。

■鼻水吸引器の必要性

そもそも赤ちゃんに鼻水吸引器が必要なのか、気になっているかたも多いでしょう。耳鼻科では、鼻水吸引器に対する考えはさまざまです。鼻水は体を守る反応のひとつであるため、過度な吸引は不要だとの考えもあります。

しかし、次のような状態のときは鼻水吸引器があると便利です。

  • 鼻水が多くて赤ちゃんが眠れないとき
  • 鼻水によって水分の補給も難しいとき
  • 鼻詰まりがひどいとき

生後1~2か月ごろの赤ちゃんは、鼻の穴が小さいため、鼻詰まりを起こしやすい傾向にあります。眠れない・水分が補給できない、といった状態なら、鼻水吸引器を使うと楽になるでしょう。

また、鼻詰まりがひどいと、耳や副鼻腔に鼻水が流れ込み、中耳炎や副鼻腔炎になってしまう可能性があります。そこで中耳炎や副鼻腔炎を防ぐために、鼻水吸入器が役立ちます。ただしひどい鼻水が続く場合には、家庭だけで対処せず病院も受診してください。

■鼻水の種類と原因

鼻水には種類があり、原因が違います。

種類は以下の2つです。

  • 透明の鼻水
  • 黄色っぽい鼻水

2つの鼻水について、それぞれの原因を見てみましょう。

透明の鼻水

特に多いのが、無色透明の鼻水です。透明の鼻水は、環境の変化に反応して出ている可能性があります。また、アレルギー性鼻炎による鼻水も無色透明です。さらさらしているため、鼻水吸引器でも吸引しやすいでしょう。

黄色っぽい鼻水

黄色っぽくてどろどろしている鼻水もあります。白血球の死骸が含まれているのが、黄色っぽい鼻水です。黄色っぽい鼻水が出るときは、感染症にかかっているかもしれません。感染症が原因の場合、鼻水以外に咳・発熱・下痢などの症状も出ます

■鼻水吸引器の種類

鼻水吸引器には種類があり、特徴には違いがあります。おもな種類は次の2つです。

  • 電動
  • 手動

それぞれの特徴やメリット・デメリットを見てみましょう。

電動

電動の鼻水吸引器には、据え置きタイプとハンディタイプがあります。外出先でも使いたい場合は、ハンディタイプを選ぶと便利です。電動には次のようなメリット・デメリットがあります。

メリットデメリット
吸引力が高い据え置きタイプは重い
短時間で終わるハンディタイプは乾電池が必要になる

吸引力が高く、鼻の奥に溜まっている鼻水も吸引できるのが電動タイプです。ただし据え置きタイプは重く、ハンディタイプには乾電池が必要だというデメリットがあります。

手動

手動の鼻水吸引器には、スポイトタイプと口吸いタイプがあります。おもなメリットとデメリットは以下のとおりです。

メリットデメリット
軽い吸引力が電動より弱い
大きな音が出ないウイルスを大人が吸い込むリスクがある

大きな音もなく、手軽に使えるのが手動タイプの鼻水吸引器です。ただし電動と比べると吸引力が弱く、粘着性のある鼻水は吸いにくいというデメリットがあります。

また、口吸いタイプはウイルスを大人が吸い込んでしまうのもデメリットです。ウイルスによって風邪や病気が移る可能性がありますので、注意してください。感染を防ぐには、スポイトタイプを選ぶとよいでしょう。

■鼻水吸引器を使うときの注意点

赤ちゃんが鼻水で苦しいときに使えるのが鼻水吸引器です。便利なアイテムですが、使うときには注意点もあります。

代表的な注意点は次の6つです。

  • 鼻血のあとには使わない
  • もう片方の鼻を塞がない
  • 使用時間を守る
  • 一気に吸引しない
  • 不調が続くなら耳鼻科を受診する
  • 使ったあとは洗う

6つの注意点について、それぞれ内容を紹介します。

鼻血のあとには使わない

鼻水吸引器は、鼻血を出したあとには使わないようにしましょう。また、次のような状況のときも、使用を避ける必要があります。

  • 鼻の粘膜が充血しているとき
  • 鼻のなかに腫れや傷があるとき

上記のような状態で使うと、余計にひどくなってしまうおそれがあります。状況を悪化させないためにも、鼻水吸引器は様子を見ながら使用してください。

吸引で鼻血が出たときの対処法

鼻水が大量に出るときに吸引すると、鼻血が出てしまうときがあります。吸引で鼻血が出るのは、鼻の粘膜が炎症を起こしていて、刺激に弱くなっているためです。

鼻水を吸引していて鼻血が出たら、ティッシュペーパーをあてて10分ほど抑えましょう。鼻血が出る頻度が高い場合は、1度耳鼻科で相談してみてください。

もう片方の鼻を塞がない

鼻水吸引器を使うときは、もう片方の鼻を塞がないようにしましょう。「鼻水吸引器は耳にダメージがあるのでは」と気にするかたも少なくありません。もう片方の鼻を塞いで吸引してしまうと、耳にダメージを与える可能性があります。

吸引するときは、両方の鼻が塞がらないよう、注意してください。

使用時間を守る

鼻水吸引器は使用時間を守りましょう。使用説明書には、「3~4秒」といったように、吸引時間が明記されています。長時間吸引を行うのはNGです。

安全のためにも、必ず使用説明書を確認し、時間を守って使いましょう。

一気に吸引しない

鼻水吸引器には、一気に吸引しないという注意点もあります。左右交互に少しずつ吸引を行いましょう。一気に吸引しようとすると、使用時間を過ぎてしまう可能性もあります。

頑固な粘り気のある鼻水でも、少しずつ吸引するようにしてください。

使ったあとは洗う

鼻水吸引器を使ったあとは、よく洗っておきましょう。なお、高温での洗浄はできない鼻水洗浄機もあるため注意が必要です。高温で洗うと、変形してしまうパーツもあります。

洗い方についても、使用説明書で確認しておきましょう。

不調が続くなら耳鼻科を受診する

赤ちゃんの鼻水が続くなら、鼻水吸引器を使うだけでなく、耳鼻科を受診してみてください。鼻水が止まらないのなら、根本的な原因を解決する必要があります。

  • 鼻水の色が濃い
  • 吸引をしても落ち着かない

上記のような状態であれば、耳鼻科の受診がおすすめです。

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Author: 五藤 良将