「α-リポ酸」とは、別名チオクト酸と呼ばれる脂肪酸の一種で、人間の身体を構成する60兆個の細胞全てに存在し、細胞を活性化させる働きを持っています。
細胞に存在する”ミトコンドリア”はブドウ糖などの有機物を酸素によって分解しエネルギーを作る工場の役割をしています。
「α-リポ酸」はこのミトコンドリアを活性化する作用を持っており、食事から摂取するブドウ糖のエネルギー変換効率を上げ、活性酸素を抑制して老化を強力に防ぐ作用があります。
ビタミンCやビタミンEの400倍の抗酸化力があり、強力な抗酸化作用によりデトックス(解毒)作用を発揮し、免疫力を飛躍的に高める物質です。
「α-リポ酸」は様々な食品から摂取でき人間の体内でも生成されてはいますがその量は非常に少量です。
年齢の上昇に応じて低下傾向となることが知られており、40歳を超えると激減し、60歳になるまでに非常に少なくなってしまいます。結果として代謝効率は落ちエネルギー不足の状態となります。
「α-リポ酸」は、ビタミンCやビタミンEの400倍の抗酸化力があります。
自ら抗酸化物質として働くだけでなく、抗酸化物質として働いて抗酸化力を失ったビタミンA,C,Eやグルタチオンなどの他の抗酸化物質を再生し、もう一度抗酸化力のある抗酸化剤に蘇らせる作用があります。
■病気を防ぐ
「α-リポ酸」は、遺伝子レベルで細胞へのダメージを予防する働きや、酸化ストレス(フリーラジカル)を消去して、病気にならないようにしてくれています。
生活習慣病や癌、老化の原因となる活性酸素の蓄積(酸化ストレス)を軽減し、細胞の酸化を防ぐ効果を持ち合わせています。
水溶性・脂溶性どちらにも働くことができるため、血液や脳脊髄液そして脳、心臓、膵臓、腎臓、肝臓、骨、関節、体脂肪など、あらゆる臓器のあらゆる細胞で抗酸化物質として働きます。
■デトックス効果
年齢を重ねると、新陳代謝が少なく なり、いわゆる「中年太り」の原因となります。
「α-リポ酸」は上記で記した通り、別名チオクト酸と呼ばれる脂肪酸の一種で、細胞のミトコンドリア内で働く補酵素の一種です。
ミトコンドリア内での熱エネルギー産生を高め、新陳代謝を高めて、体脂肪の増加を抑制すると言われています。
減少した「α-リポ酸」を補う事で体脂肪の増加を抑え、ダイエット効果が期待できます。
ボディビルダーが体脂肪率減少を期待して α-リポ酸を注射して激しいウエイトト レーニングに励むということも知られています。
また、重金属をキレート(包み込んで体外に出す働き)し解毒する作用があるとされています。
日常生活のなかで日々日々取り込んでおり体内に蓄積されていく水銀・ヒ素などの有害重金属を排泄する作用を有しています。
「α-リポ酸」はそういった有害重金属を体外へ排出させる働きがあり、様々な体調不良の改善や慢性疲労の改善に繋がると考えられています。
■エイジング効果
「α-リポ酸」は、高い抗酸化力のため、体内で発生する活性酸素の増加を抑制し、肌のくすみを改善、キメ細やかな肌にするなどの美容にも効果的です。
紫外線を浴びたり、生活習慣で発生する活性酸素は、繊維芽細胞などを攻撃すると、コラーゲンやエラスチンの生成に影響します。
コラーゲンやエラスチンは、肌のハリやうるおいを保つために必要不可欠なタンパク質です。活性酸素によってこれらの生成が阻害されると、肌はハリを保てなくなり、肌にシワやたるみができる原因につながります。
さらに活性酸素は表皮のメラノサイトも攻撃します。刺激によってメラニンの生成量が増えると、シミとなって表面化するため、肌の若々しさが損なわれてしまいます。
ほぼすべてのがんの原発・再発・転移の治療やがん予防に適応があると考えています。
現在のがんの3大療法である手術、抗がん剤、放射線治療との併用も可能で、抗がん剤の作用促進や副作用の軽減、放射線治療の副作用の軽減や再発防止などにも有効です。
胸水や腹水、透析中であっても治療可能です。
高濃度ビタミンCを継続していると胸水、腹水の増加をまねくことがあり、そのようなときは良い選択だとおもいます。
高濃度ビタミンC点滴療法との併用により抗がん作用の増強が期待できます。
免疫力の増強とがん細胞の自滅を促す低用量ナルトレキソン療法との併用による相乗効果が期待できるようです。
- 細胞へダメージを与え癌化の原因となるフリーラジカルを減少させる。
- がんの発生に関わるとされる転写因子(Nfκβ)の活性を阻害する。
- 免疫に関与するリンパ球のひとつであるT細胞の活性を向上する。
- がん細胞をアポトーシス(細胞死)に導き、また酸素を使った好気性解糖を活性化させることで、がん細胞のアポトーシスを促進させる。
- がん細胞のアポトーシスにおける阻害因子を抑制し、促進因子を活性化することでがん細胞のアポトーシスが起こりやすくなる。
- 新生血管の形成を抑制する。
以上のようなことが前臨床試験において確認をされています。
■「α-リポ酸」点滴の対象疾患
乳がん・肺がん・膵がん・肝がん・食道がん・胃がん・大腸がん・直腸がん・腎がん・膀胱がん・前立腺がん・子宮がん・卵巣がん・悪性リンパ腫など、ほぼすべてのがんの原発巣や再発・転移の治療に有効と考えます。
さらに抗がん剤の作用促進や副作用軽減、放射線治療の副作用の軽減に有効です。
がん以外の疾患ではC型肝炎と肝硬変への治療、悪化の予防に効果があるとされております。
ほかに糖尿病・高脂血症・動脈硬化などの生活習慣病、リウマチ・全身性エリテマトーデス(SLE)・皮膚筋炎などの自己免疫疾患、パーキンソン病などの神経疾患、エイジングケアや痩身効果に有効といわれています。
■「α-リポ酸」点滴療法の副作用
まず、穿刺部位の痛みや灼熱感といった局所的な副作用があります。これはαリポ酸自体の刺激性も影響と、血管の敏感度合いにもよるので患者さんによるところが大きいです。
ほかに、重大な副作用としては、低血糖発作(冷汗、寒さ、震え、動悸など)が挙げられます。HLA-DR4(DRB1*0406)を保有している方は、ヨーロッパに比べ日本などの極東アジアに多く、低血糖になりやすいと言われており、1970年に平田幸正先生(元・日本糖尿病学会会長、元・東京女子医科大学教授)により「インスリン自己免疫症候群(IAS)」と報告されております。
多いと言っても、1970年に初めて報告されてからの約50年で300症例程です(報告されているのがこれだけで実際にはもっと多いかも知れません)。HLA-DR4(DRB1*0406)を保有している方が、SH基が含まれている物質を体内に取り入れると、SH基がインスリンA鎖分子中の埋もれていた構造部分を表面化してこれがこれが DRB1*0406 分子上で特異的に結合して自己抗原化し、それがTリンパ球を活性化し、インスリン自己抗体が産生されると考えられています。
そのインスリン自己抗体は、インスリンと結合しやすく遊離しやすいという特徴があります。
体内で産生されているインスリンに対して自己抗体が結合すると、インスリンは作用を失いますので、身体はインスリンが少ないと判断します。そうなると、すい臓はインスリンを追加産生することになりますが、しばらくすると結合していた自己抗体が遊離するため、元々のインスリンの作用が復活します。
つまり、最終的に体内では大量のインスリンが存在し作用することになりますので、血糖が極端に低下する低血糖状態に陥ることになります。
確率的には極めて低い副作用ではありますが、特に初回投与時にはゆっくりと点滴、滴下して低血糖症状が出現しないかどうか確認しております。
※初回のみ患者様の体重や状態によっては300mg 9,900円(医師の判断になります)
全て税込み
初回は五藤院長が診療の時に、ご予約下さいませ。
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