長寿の秘密は肉にあり 現役医師が解説「高齢の方ほど肉を積極的に摂ってほしい」
未曾有の超高齢化社会日本。男性の平均寿命は８１・４７歳、女性の平均寿命は８７・５７歳と発表されている。平均寿命の都道府県別ランキングを見ると、男女共に滋賀県と京都府が上位にランクインしている。長寿の秘密は何かを探っていると、この結果にリンクするようなデータがあった。それは『牛肉の消費量』である。
滋賀県と京都府は全国でも肉の消費量が多い。肉と長寿には何らかの関連があるのかもしれない。薬だけに頼らず、食事療法の指導も治療にと取り入れている竹内内科小児科医院院長の五藤良将医師に肉と長寿の関連について聞いた。
「タンパク質は、筋肉や皮膚、髪の毛を作るだけではなく、ホルモンや免疫物質といった、身体を調整する物質の材料にもなっています」
「がん細胞やウイルスに感染した細胞などの異常な細胞を見つけ攻撃するナチュラルキラー細胞は、動物性たんぱく質によって活性化されます。加齢に伴い、免疫力が低下する傾向にありますが、肉を食べる習慣がある方は、高齢になっても元気な方が多い印象を受けます」
「サルコペニアは主に加齢によって筋肉量が減少し身体機能や免疫機能が低下してしまうのですが、肉を食べることはその予防にもなるのです」
コロナ禍、インフルエンザシーズンの今、年齢を問わず、肉は毎日食べたい食材と言えるだろう。また、肉が健康にいい理由がもう一つ。
「肉は、トリプトファンが多く含まれ、『幸せホルモン』と呼ばれるセロトニンの分泌を促すため、うつや気分の落ち込みを防ぎ、心も健康に過ごせます。また、認知症になるとセロトニンが低下する傾向にありますので、高齢の方ほど肉を積極的に摂ってほしいと思います」
（医療ジャーナリスト・吉澤恵理）
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