【リンゴ病】について、フジテレビ『めざましどようび』で取材されました。

【リンゴ病】について、フジテレビ『めざましテレビ』の『めざましどようび』で取材され、2024年11月23日(土、祝日)に朝6時50分過ぎから放送されました。お時間のある方は是非ともご視聴ください。
https://www.fujitv.co.jp/mezado

【リンゴ病の主な特徴】

・発症までの経過

潜伏期間:感染から約4~14日間。
初期症状:軽い発熱、倦怠感、筋肉痛など、風邪に似た症状。
発疹期:初期症状が落ち着いた後に、頬が赤くなる典型的な発疹が出現します。その後、腕や脚にレース状の発疹が現れることがあります。

主な症状

頬の赤い発疹(特に両側)。
体幹や四肢のレース状または網目状の発疹。
大人の場合、関節痛や関節炎を伴うことがあります。

感染経路

飛沫感染:くしゃみや咳でウイルスが飛散。
接触感染:感染者の体液に触れることで感染。

【診断と検査】

診断は典型的な発疹と症状から行われることが多いですが、次の場合には追加検査を考慮します:

  • 妊婦の場合(胎児への影響が懸念されるため)。
  • 重篤な免疫不全患者の場合。

血液検査: ヒトバルボウイルスB19 のIgM抗体の上昇の確認。ただし、15歳以上の患者で紅斑があり、ヒトパルボウイルスB19感染が強く疑われる場合に算定できるという診療報酬上のルールがあります。この制限は、医療費の適正化や保険適用の範囲を管理する目的で設けられたものです。

15歳未満の場合の検査について

  • 診療報酬上の制約: 現行のルールでは、15歳未満の患者の場合、保険診療として検査することが認められておりません。
  • 自費検査の選択肢: 15歳未満の患者でも、臨床的に必要と判断されれば、自費検査として行うことは可能です。

なぜ15歳以上に限定されるのか?

  • 小児では通常、典型的な症状(頬の紅斑や網状の発疹)が診断の手がかりとなり、追加検査をせずに臨床診断で済むことが多いためです。
  • 一方、15歳以上の成人では症状が非典型的になることが多く、診断が難しいため、抗体検査やPCR検査が必要となる場合があります。

【治療】

  1. 対症療法
    • 特別な治療は必要なく、症状に応じて対応します。
    • 発熱や痛みにはアセトアミノフェンなどの解熱鎮痛薬を使用。
  2. 特殊な場合
    • 妊婦:胎児水腫のリスクがあるため、産科医との密な連携が必要となります。
    • 免疫不全患者免疫グロブリン療法を行う場合があります。

【まとめ、注意】リンゴ病はヒトパルボウイルスB19による感染症で、通常は軽症ですが、妊娠初期の妊婦が感染すると、胎児に流産や胎児水腫のリスクを伴うことがあります。また、溶血性疾患(例:遺伝性球状赤血球症)を持つ方では、赤血球の産生が一時的に停止する赤芽球癆(せきがきゅうろう)を引き起こし、重症な貧血となる場合があります(ヒトパルボウイルスB19は骨髄の中の赤血球になる前の赤芽球に感染して破壊して赤血球の産生を減らすので貧血も特徴的です。健常者は一過性のみでありごく軽度のみで貧血とも気づかれないことも多いですが、溶血性疾患のある方がリンゴ病になると重症な貧血になる恐れがあります)。特に基礎疾患をお持ちの方や免疫力が低下している方は注意が必要です。

日常的な手洗いやマスクの着用で予防を心がけ、症状が疑われる場合は早めに医療機関にご相談ください。


ヒトパルボウイルスB19の特性

  • 非エンベロープウイルス
    ヒトパルボウイルスB19は「非エンベロープウイルス」に分類されます。このタイプのウイルスは、脂質膜(エンベロープ)を持たず、カプシドと呼ばれるタンパク質の外殻に覆われています。 エンベロープウイルス(例: インフルエンザ、COVID-19)に比べて耐性が高く、アルコールや環境条件に強い傾向があります。
  • 耐性の理由
    非エンベロープウイルスはカプシドが非常に安定しており、以下に強い耐性を持ちます:
    – 高温
    – 一部の消毒剤(特に脂質溶解性の低いもの)
    – 酸やアルカリなどの極端なpH条件

    ヒトパルボウイルスB19は非エンベロープウイルスであるため耐性は比較的高いですが、70%以上のエタノール消毒液で効果的に不活化が可能です。
  • 手指消毒や環境表面の清掃でアルコールを正しく使うことが感染予防に有効です。石鹸と流水による手洗いも併用することで、さらなる感染防止が期待されます。エタノール濃度や適切な消毒方法を守ることで、リンゴ病の感染リスクを効果的に低減できます。
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Author: 五藤 良将