【トラベルワクチン外来】③感染症ごとのワクチンの詳細について


【原因】
衛生環境の整備されていない地域で食べ物(果物、野菜、魚介類など)、飲料水から感染します。たとえ数日間の短期滞在であっても感染する可能性があります。
またA型肝炎患者の糞便から感染する糞口感染が主な原因の急性肝炎です。よって約3割の事例で家族内に2次感染を起こします。また、近年は性行為による感染も増加しています。

【症状】
38℃以上の発熱・全身倦怠感・下痢・黄疸の症状が現れ、完全に治癒するまでには1~2ヶ月の治療が必要です。稀に劇症肝炎や急性腎不全を引き起こすことがあります。

【渡航先での予防法】

  1. 水道水、氷は飲まないように。例え一流ホテルであってもリスクはあるので、ミネラルウォーターなどを飲むようにしましょう。歯磨きなども、ミネラルウォーターを使用することをお勧めします。
  2. 生野菜、カットフルーツは原則食べない。
  3. 野菜、魚介類などは加熱したものを食べる。
  4. 屋台など衛生状態が悪い場所での飲食はなるべく避ける。

【ワクチンについて】
■国内承認ワクチン <エイムゲン> 3回接種

■未承認ワクチン(輸入) <AVAXIM> ※1回で抗体がつきます。


【原因】
血液を介しての感染及び性行為感染が主な感染経路です。人の血液、または体液内にB型肝炎ウイルス粒子が含まれ、こうした血液や体液が傷のある皮膚や粘膜から体内に侵入することによって感染します。

【症状】
3~5ヶ月の潜伏期間ののちに、全身倦怠感、発熱、悪心・嘔吐、黄疸等の急性肝炎を発症します。その1%前後は劇症化して昏睡、死亡に至ることがあります。

【渡航先での予防法】
2017年にWHOから公表された情報によれば、全世界にB型肝炎感染者は2億6,000万人いるとされています。その多くがアジア、アフリカ諸国に分布しています。
日本を含む多くの先進国では医療機関での器具の消毒や輸血血液の安全性が徹底されており、医療行為に伴うB型肝炎ウイルスの感染はほとんどありません。しかしながら、発展途上国においてはまだまだ整備が進んでおらずリスクがあります。

  • 渡航中に現地の医療機関を受診する可能性がある方
  • 救済活動や血液を扱う業務に従事する方
  • 刺青を入れる・ピアスを開けるなどの可能性がある方
  • 危険なスポーツや活動をする方
  • 渡航先で性行為の可能性のある方

上記のような方にはワクチン接種を推奨します。

【ワクチンについて】
■国内承認ワクチン <ビームゲン> 3回接種


【ワクチンについて】
■未承認ワクチン(輸入) <Twinrix>

Twinrixは、A 型肝炎、B 型肝炎の双方に対するワクチンです。
通常接種法3回、加速接種法4回となります。


【原因】
世界中の土壌中に広く生息する破傷風菌が手足などの傷口から体内に侵入し、組織中で発芽、増殖し強力な神経毒(テタノスバスミン)を作り出すことにより発症します。屋外で怪我をしたり動物に噛まれて感染します。
※東日本大震災の復興作業ボランティア(がれき撤去など)の方々の多くが破傷風に感染したことも記憶に新しい事実です。津波の影響で一時的に衛生状態が悪くなり、破傷風菌が被災地に蔓延したこと、多くの方々の破傷風に対する免疫が弱くなっていたことなどが原因と考えられています。

【症状】
潜伏期間は3日~3週間程度です。その後、傷の周辺のこわばりや全身倦怠感が出現します。開口障害及びそれに伴う食物摂取困難、首筋の張り、構語障害による会話困難があらわれ、それが高度になると痙笑という顔面筋の拘縮に伴う破傷風独特の笑ったような顔貌を呈します。
さらに症状が進行すると頚部の筋肉や背筋の拘縮を生じるため、全身が弓なりの姿勢となります。症状が呼吸筋に及ぶと呼吸が不可能となり死に至ることもあります。致死率は10-20%と高値です。

【渡航先での予防法】
幼少期の定期接種で破傷風を含む3種混合ワクチン:DPT(現在は4種もしくは5種混合ワクチン)を接種していますが、長期間追加接種をおこなっていない場合、免疫が弱くなっているか消失している可能性が高いため、渡航前のワクチン接種が推奨されます。

【ワクチンについて】
■国内承認ワクチン <破傷風トキソイド> 1回接種

定期接種が未完了の方、1968年以前に生まれた方はDPTの3回接種を推奨します。


【原因】
日本脳炎ウイルスを持った動物(ブタ・ウマ・鳥類)を刺した蚊に刺されることで感染します。
定期接種により日本での発症は少なくなりましたが特にアジアの農村地域では注意が必要です。なお、日本脳炎は一般的にヒト-ヒト感染は起こらないと考えられています。

【症状】
感染した人の0.1~1%程度の割合で発病すると言われており、典型的な症状として38度以上の高熱、頭痛、悪心、嘔吐、めまいなどを呈し、小児では、腹痛、下痢も多くみられます。その後、意識障害やけいれん、体の麻痺などが起こります。重症化した方の50%が死亡するといわれ、生存者の30~50%に精神障害や運動障害などの後遺症が残るといわれています。

【ワクチンについて】
平成17~21年度(2005~2009年)にかけて、日本脳炎ワクチンの積極的接種勧奨が差し控えられたことにより、定期接種を受ける機会を逃した方が多くいらっしゃいます。その方を特例対象者とし、定期接種の救済措置が行われております。接種ご希望の方は、一度市区町村へのお問い合わせをお勧めいたします。

過去に3回の接種歴がないか不明の方、日本の定期接種を完了して10年以上経過している方は、渡航前に少なくとも1回の追加接種を推奨しています。

日本からパキスタンまで東アジア・東南アジア・南アジア一帯で日本脳炎は流行しており、年間3万~5万人程度の感染者がいるとされています。 

下記に該当する方はワクチン接種を推奨致します。

  • 蚊が活動する季節に1カ月以上滞在する方
  • 滞在が1カ月未満でも郊外での野外活動(キャンプやハイキング等)や農作業をする方
  • 日本脳炎ワクチン接種歴が不明な方
  • 滞在期間の長短によらず、頻繁に流行地を訪問する方

日本脳炎のみならず海外で蚊を媒介する感染症から身を守るには、まず蚊に刺されないようにすることが必要です。虫よけスプレーや蚊取り線香などを利用し、肌を露出しない服装をしましょう。

■国内承認ワクチン <日本脳炎ジェービックⅤ> 3回接種



【原因】
狂犬病ウイルスを持っている哺乳動物に噛まれたり、引っ掻かれることで人間に感染します。ウイルスは感染動物の唾液に含まれていますが、動物は前足を舐めるので、ウイルスが付着したツメで引っかかれることも感染の原因となります。 犬以外の動物でもキツネ、スカンク、アライグマ、猫、コウモリなどすべての動物から感染する可能性があります。


【症状】
潜伏期間は一般的に1ヶ月~3ヶ月程度です。発症すると風邪に似た症状や様々な知覚異常・筋肉痛などの前駆症状が出現します。発病した場合には、ほぼ100%死亡するという危険な疾患です。発病すると感冒様症状に加え、強い不安感・神経過敏症状(光や音・振動などに対する異常な反応や見当識障害・幻覚など)を示し、その後全身麻痺から昏睡状態となり、呼吸不全で死亡します。発病から死亡までは2~6日といわれています。

【ワクチンについて】
狂犬病は一部の国・地域を除いてほぼ世界中に存在しており、年間約5万~6万人の死亡者が出ています。 有効な治療や救命方法がないため、発症を予防することが非常に重要です。動物に手を出さないようにするのはもちろんのこと、ワクチン接種を推奨します。

<動物から咬傷・接触を受けた時の注意点>
①傷口の十分な洗浄と消毒 

 傷口を石鹸と流水でよく洗い、エタノールやポピヨンヨードなどの消毒液で消毒します。

②早急に医療機関を受診し曝露後接種

 できるだけ早く医療機関を受診し、ワクチンを接種する必要があります。接種は指定されたスケジュ   

 ールで複数回受ける必要があります。

※渡航前にワクチン接種をしていても(曝露前接種)、咬傷を受けた際には再度ワクチン接種(曝露後接種)が必要です!!
※必ず帰国時に空港の検疫所に報告してください!!

曝露後ワクチン接種のスケジュールについては、曝露前ワクチン接種を行っていない場合と、行っている場合とに分けられます。

日本では曝露前接種がない方は、6回接種(0、3、7、14、30、90日)を行います。

WHOが推奨する曝露後の接種スケジュールは、過去に未接種の場合、2か所の皮内注射3回(初回接種日を0日として、0、3、7日)、または1か所の筋肉内注射4回(0、3、7、14~28日)、または2か所の筋肉内注射1回(0日)と1か所の筋肉内注射2回(7、21日)としています。
また、2回以上の曝露前接種を受けた後の場合、1か所の皮内注射2回(0、3日)、または4か所の皮内注射1回(0日)、または1か所の筋肉内注射2回(0、3日)が推奨されています。

■国内承認ワクチン <ラビピュール> 曝露前 3回接種


【原因】
腸チフスは、サルモネラ属のチフス菌による感染症です。
飲食物による経口感染がほとんどですが、感染したヒトの便や尿に汚染された水、氷、食物を摂取することによって感染します。ごく少量の菌によって感染することもあります。
また、男性同性愛者による性行為でも感染します。

【症状】
感染して1~3週間は症状がなく、その後高熱、頭痛、全身倦怠感、高熱時に数時間出現する胸や背中、腹部の淡いピンク色の発疹、便秘などの症状が出現します。熱が高い割に脈が遅いのが特徴的です。
重大な症状として、腸から出血したり、腸に穴が開いたりすることがあります。

【渡航先での予防法】
腸チフスの感染が最も深刻なのはアジア地域ですが、先進国を除くほとんどの国や地域にておいて中等度の感染リスクがあります。アジア、中東、東欧、アフリカ、中南米等流行地域へ渡航する2歳以上の方で、特にインドをはじめとする南アジアに数日でも滞在するのであれば、ワクチン接種を強く推奨します。
衛生状態の悪い地域へ渡航する時は、ワクチン接種に加え下記のような注意が必要です。

1.水道水、氷は飲まないように。例え一流ホテルであってもリスクはあるので、ミネラルウォーター などを飲むようにしましょう。歯磨きなども、ミネラルウォーターを使用することをお勧めします。

2.生野菜、カットフルーツは原則食べない。 

3.野菜、魚介類などは加熱したものを食べる。 

4.屋台など衛生状態が悪い場所での飲食はなるべく避ける。

【ワクチンについて】

■未承認ワクチン(輸入) <Typhim Vi > 1回接種


【原因】
ウィルスを保有するマダニ類に刺咬されることによって感染するウイルス性中枢神経系感染症です。
また、このウイルスに感染した動物から生産された殺菌されていないミルクや乳製品を飲食することからうつることもあります。
ドイツバイエルン地方およびオーストリアの森林地帯、中央ヨーロッパからバルト三国、ロシア主要部、シベリア、極東ロシアに至る地域で流行しています。また、日本の北海道でも発症しています。
ダニ媒介性脳炎ウィルスを保有するマダニの生息地は、各地域とも草原や森林地帯のほか、流行地域の都市部でも生息しています。
ダニ媒介性脳炎の患者発生数は、上記地域で年間6千から1万人程度います。

【症状】
潜伏期間は7~14日程で、高熱、悪寒、筋肉痛などのインフルエンザに似た症状が出現します。
3~4日程度後、30~50%の例で、眩暈、頭痛、悪心、痙攣、知覚異常などの髄膜脳炎を生じます。
致死率は2~30%で、半数近くは麻痺などの神経学的後遺症をきたすとされています。

【渡航先での予防法】
ワクチンが有効です。
ワクチンと共に、虫刺され防止対策も大切です。
流行地域で農作業や森林事業に従事する方、郊外や森林でハイキングやキャンプをする方、アウトドアスポーツをする方は特に注意が必要です。
長そで長ズボンなど露出の少ない服装として、ダニ刺咬の可能性を減らす事が重要です。
殺菌されていない乳製品の摂取は避けること。

【ワクチンについて】

■未承認ワクチン(輸入) <FSME-Immun > 3回接種



【原因】
コレラ毒素を生ずるコレラ菌(Vibrio cholerae)に汚染された飲食物などを摂食することにより感染する、急性胃腸炎です。
胃腸炎の原因となる微生物の中でも、最も重篤な感染症がコレラ菌によるコレラです。

【症状】
感染してからの潜伏期間は数時間-5日で、下痢や嘔吐によって発症します。
発熱や腹痛を伴うことはまれです。典型的な重症例では、「米のとぎ汁」様の大量の水様性下痢と嘔吐をで、短時間で容易に脱水に陥ります。ただちに治療を行わないと死亡する可能性があります。

【渡航先での予防法】
コレラが流行している国では、生水、氷、生の魚介類を避けましょう。
氷の上に飾られたカットフルーツや、誤って飲んだプールの水から感染した例もあります。

流行国に長期滞在する方で、特に胃を摘出した方や胃酸分泌抑制剤を服用している方などはワクチン接種をおすすめします。

【ワクチンについて】

■未承認ワクチン(輸入) <Dukoral> 経口コレラワクチン(不活化ワクチン) 2回接種


【原因】
咳やくしゃみなどによって飛び散る飛沫に含まれる菌が、口や鼻などの粘膜に直接触れて感染します。また、感染者からの唾液の直接接触(キス、コップやペットボトルの回し飲みなど)でも感染します。
日本国内の年間報告例数は数十例ですが、海外では、髄膜炎ベルトと呼ばれるアフリカ中部のサハラ砂漠以南で発生が多く、先進国においても散発的に発生しています。

【症状】
感染すると感染者の鼻やのどの粘膜に定着して保菌者(不顕性感染者)となるか、急激に発症します。潜伏期間は2~10日(平均4日)で、かぜ様症状を呈します。
劇症型といわれる症状では頭痛・高熱・低血圧・痙攣・意識障害を呈し、皮膚・粘膜に出血斑を伴い、ショック等により、早い時には数時間から1、2日以内に死亡することがあります。
全身に細菌感染が及んでいるので、急激に症状が悪化したり、精神状態が変化することがあります。治療しなければ死に至ります。適切な治療を受けても神経障害や手足が壊死した場合には、手足の切断などの後遺症が出る場合があります。

【渡航先での予防法】
人から人へ飛沫感染する病気のため、人の密集するような環境がハイリスクとなります。
学生寮などで共同生活を行う10代が最もリスクが高いとされているため、特に共同生活をしている場合は感染者が発生した場合の拡大に注意が必要です。
国際的なマスギャザリングイベントに参加する方はワクチン接種が義務付けられています。
入国拒否や留学許可が下りないという事にならないために、渡航の際は必ず事前に調べることをお勧めいたします。

【ワクチンについて】

■国内承認ワクチン <メンクアッドフィ> 1回接種


【原因】
主な感染経路は、糞便中のウイルスが口の中に入ることによる感染(経口感染・接触感染)ですが、患者の咳やくしゃみなどのしぶきに含まれるウイルスによる感染(飛まつ感染)もあります。汚染された食べものや水を飲食したり、汚染されたものを触った後にその手で口に触れたりすることで感染します。

【症状】
潜伏期間は3~35日です。感染者の大部分(90~95%程度)は、感染しても症状が現れない不顕性感染であるとされています。発症すると、発熱、頭痛、のどの痛み、吐き気、嘔吐などのかぜに似た症状が現れます。
200人に一人の割合で麻痺が生じます。麻痺は片足のことが多く、歩行障害をきたします。麻痺患者のうち5~10%は呼吸筋麻痺により死亡します。治療法はなく、ワクチンによる予防のみが有効とされています。

【渡航先での予防法】
1975~1977年生まれの人は、1型の抗体陽性率が低いことが示されています。また、2010~2012年生まれで、ポリオワクチンを接種していない人は、ワクチン接種を推奨しています。

感染症が流行している地域の国々に入国する際やそれらの流行国から入国、乗り継ぐときに予防接種証明書の提示を求める国があります。
また、渡航目的によっては、入学や留学、病院で面会の際にも予防接種証明書を要求される場合がありますので、必ずご確認ください。

【ワクチンについて】

■国内承認ワクチン <イモバックスポリオ> 3回接種
 ※定期接種を全て接種完了している成人の場合、1回の追加接種を推奨しています。


【原因】
『ジフテリア』

感染者の咳やくしゃみなどに含まれる唾液が口に入ることで感染します。濃厚な身体接触によっても感染します。

『百日咳』
百日咳菌によって引き起こされる急性の気道感染症です。咳やくしゃみなどによる飛沫感染や咳やくしゃみをした際におさえた手で何かに触りそこから接触感染する場合もあります。

【症状】
『ジフテリア』

感染しても症状が出るのは10%程度で、残りの人が無症状の保菌者となり、その人を通じて感染する場合があります。
症状が出る場合、2~5日程度の潜伏期間を経て、発熱や嘔吐、頭痛、咳などにはじまり、扁桃や気道に偽膜を形成して呼吸困難となり、嗄声や犬吠様咳嗽など特徴的な症状がみられます。ジフテリア毒素による病変として、心筋炎や心筋障害、末梢神経麻痺があげられます。他に眼や鼻、粘膜に病変をきたす場合もあります。

『百日咳』 

通常7~10日間程度の潜伏期間を経て、普通のかぜ症状で始まり、次第に咳の回数が増えて程度も激しくなります。次第に、特徴のある発作性痙攣性の咳(痙咳)となります。これは短い咳が連続的に起こり(スタッカート)、続いて息を吸う時に笛の音のようなヒューという音が出ます(笛声)。この様な咳嗽発作を繰り返すことをレプリーゼと呼び、しばしば嘔吐を伴います。
激しい発作は次第に減っていき、2~3週間程度で認められなくなりますが、その後も時折発作性の咳が出ます。約2~3ヶ月程度で回復します。

【渡航先での予防法】
『ジフテリア』『百日咳』ともに、行き先によらず感染する可能性のある病気であり、ワクチン接種が重要と考えられています。日本では10歳以降の接種が推奨されていないため、世界標準と比較した場合の免疫の維持・保有状況に不安があります。

【ワクチンについて】

■未承認ワクチン(輸入)  <3種混合ワクチンT-dap> ジフテリア・百日咳・破傷風混合ワクチン

1回接種


【原因】

『麻疹』 
一般的には「はしか」と呼ばれることもあります。
感染経路は空気感染、飛沫感染、接触感染で、その感染力は極めて強く、免疫を持っていない人が感染すると、ほぼ100%発症します。

『風疹』
風疹ウイルスによって起きる熱性発疹性疾患で、主な感染経路は、咳やくしゃみ等の飛沫感染です。
風疹は免疫のない妊婦が妊娠初期に罹ると、白内障や心疾患、難聴等の先天性風疹症候群を持つ新生児が生まれる可能性が高くなると言われています。

『おたふく風邪』
疾患の正式名称は流行性耳下腺炎です。
おたふく風邪は「ムンプスウイルス」が原因で起こります。
感染経路は咳などの飛沫感染や、唾液などでの接触感染です。感染力が強く、家族や保育所、幼稚園、小学校など子供同士が密接に接触するところで流行します。
潜伏期間は2~3週間で、突然の発熱や両側あるいは片側の耳の下の腫れと痛みが起こります。

【渡航先での予防法】
麻疹・風疹・おたふくかぜ・水痘では感染した場合に胎児及び妊婦本人に重大な影響がもたらされる危険性もあります。積極的な抗体検査・ワクチン接種が推奨されます。

おたふくかぜは小児の定期接種には含まれません。

ワクチンを接種し、免疫をつけることで予防ができます。過去に接種歴がある方も、経年で免疫が低下している可能性があるため抗体検査で抗体の有無を確認されることを推奨します。

【ワクチンについて】
■国内承認ワクチン <MRワクチン ミールビック> 当院では単体接種は不可
 麻疹・風疹を予防します。
 ※最低1回は接種

■未承認ワクチン(輸入) <MMRワクチン Priorix®> 
 麻しん・風しん・おたふく風邪 混合ワクチン
 1回または2回接種

詳細は当院までお問い合わせ下さい。

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竹内内科小児科医院 (東急東横線多摩川駅徒歩5分)
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Author: 五藤 良将